「2010年春夏コレクション“DaDa Dolls(ダダ・ドールズ)”は、20世紀初頭、第1次大戦後にスイスで興った、前衛的芸術活動である「ダダイスム」に影響を受けた作品です。
ヒューゴ・ボール、エミー・へニングス、ハンス・アープ、トリスタン・ツァラやマルセル・ヤンコなどの芸術家たちは、殺戮的な戦争からの逃避や虚無感から、既成の秩序や常識に対する否定や破壊を基に前衛的な作品を作り上げていきました。
 
サスーン新作カットは、そうしたダダイストたちの影響を受けながら、神経質な80年代、厳しい時代の粋を織り交ぜています。カットは一見調子はずれですが、ボリュームと質感に印象的なコントラストを意図的に演出し、ロウソク状のパーマは、程よく仕立てられたロングとショートの複雑な組み合わせからなる鉢状のパネルの上に綿菓子のようにかかり、大げさな効果を作り出しています。

カラーはゲルトルード・シュタインの詩的な断片がフォーカスされ、花盛りの花冠や、頭上に花びらの宝冠を形作る内部構成が描写されています。バラのキャンバスにクリムゾン・レッド〜濃い赤が塗され、また、淡いピンクが柔らかな紫色に、柔らかいクリーム色がチャコール・グレーにそれぞれ陰影をつけています。」